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事象の僅かな違いを確かに捉えて比較します。注意力を集中する時に研ぎ澄まされていく感覚。

明るい音、暗い音を聞き分けるのは耳ですが、その感覚というのは一人一人の中にあるものです。個々の感覚を確かめ合うのが音楽の始まりです。単なる感覚から認識へと成長に合わせて名前や記号も覚えていくことで、その感覚も無限の広がりを受け止められるように成長し続けていくものです。  
 この項では、シャープ、フラットという記号について習います。それに伴い、半音という音程関係を知ることになるでしょう。
 あくまでも音を聞いたり歌ったりして、体で覚えることがいいのです。この段階で知識として問題集をやるようなことは、無意味です。
[A0]から「ソファソ」とお返事をしていた場合、それは全音の音程関係であったので「ソファ#ソ」と半音になるとその違いが際立って耳に聞こえます。ちょっとナイーブな半音の音に一緒に耳を傾けましょう。
 次にファのシャープを使って「ソファ#ソ」とやってから「ソラシドレドシラソ」のポジションで弾いて見ましょう。「ド」のポジションで弾いたとおりの曲が弾けますね。
 では、ソのシャープ。「ラソ#ラ」とやってから「ラシドレミレドシラ」のポジションで同じ曲を弾いて見ましょう。どんなメロディーになっていますか?明るかった曲が、暗く感じるようになりますね。これはどうしてそうなったのか、生徒に調べてもらうといいのです。鍵盤の形をよく見て注意深く音のつながりを聞きましょう。

 一度分かれば不思議でも驚きでもないのですが、自分で調べて解明できた時、どんな些細なことでも飛び上がるほど嬉しいものではありませんか?
 その面白さを奪い去ってどんどん知識として積めこむような教え方をしたら、どんな結果になるでしょう。思考力、集中力の育つ機会を失い、与えられるのを待つだけの受動的な人間になっていくのではないでしょうか。
 生徒が考える間、じっと待ってあげましょう。
 そして、逆に分かりきった事はつまらないので飛ばします。全音についてはあまり面白くないのでここではそれほど深くふれません。

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