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A4
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第四歩は高度な課題を克服するためのマネージメント。どこにどれだけの課題があるか見極める。

やさしい曲を無理なく弾いて、心から演奏を楽しめたという人は自然に次のステップへの意欲がわいて来る事でしょう。[A4]は、数々のピアノ曲を弾きこなすためには、どんな練習方法がいいのか、自分なりの方法を発見し、身につけるという段階です。
 生徒に与えられた課題を目に見える形で表わして、生徒と「その曲の実体」についての確認を行うことがいいでしょう。その場合、時間の経過を横軸に、内容の大きさや厚みを縦軸にとらえます。
 また、練習にかける期間を把握し、生徒の生活の中での練習時間の取り方を工夫するなどのディスカッションが必要です。その場合、与えられた期間を横軸に取り、目標を達成するための練習内容等を設定して、練習のマネージメントを行います。
 大きな曲の練習では、いきなり曲の形態を成すという事はけっしてありませんから、段落に分けて、その細部まで意味の不明な点を残さないように明晰に分析をしながら、楽譜を読み解いていきましょう。その作業の結果で、曲のデッサンが決まります。
 一見「やさしい曲」でも、後で客観的に聞いてみると、なかなか思い通りに弾けていないということはよくあるのです。初めのデッサンが甘いと、いくら弾きこんでも形にならず、修正に修正を加えていく事になります。そのような経験を生かして、楽譜に忠実に、まず、曲のデッサンを正しく行います。
 次に、どこに重点を置いて練習を進めるかを考えながら、一部分ずつ納得のいく姿に仕上げていくのです。その時に、曲の段落を把握して、更に細部まで分析ができていると、曲の流れに呑まれてしまわないで、自己コントロールのきいた効率の良い練習を進めていくことができるのです。
 難題にぶつかった時にこそ、逃げずに突き詰めていけるだけの技量が指導者には求められます。この段階[A4]では[0][1][2][3]の全ステップに当たる内容を熟知している事が必要です。[A][B][C]のすべての項目にフィードバックすることで、生徒の問題を解決することが出来るでしょう。

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