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A3
5ステップ-04.png
第三歩目からは応用編。難問を解決するにはフィードバックを。必ず前進するヒントが得られます。

[A3]からは全体を大きく二つに分けた場合の後半ととらえていただき、後期の始
まりと考えます。この段階まで上達してきた生徒には二つの傾向のどちらかであると
考えられます。
 その一つ目は、真に生徒の欲するところと、ピアノを上手に弾きたいという気持ちが一
致していて、ゆっくりでも人間らしい心の成長にともなって無理のない曲を選んで練習
してきたケースです。
 もう一つのケースは、その生徒が何を求めているか自覚がまだ育っていない状況で、
ピアノの進歩だけが一人歩きしてしまっている場合です。[C2]の例に見るように、せっ
かく習ったピアノが「宝の持ち腐れ」とも言える状況になってしまうのにはこういった
背景があったことによるものと思います。
 そのようなことを考え合わせると、ここにはやさしく弾ける曲を、ほんとうに心から楽しむという項目が必要です。
* 生徒がすぐに弾きこなせる美しい曲で、いかに音楽的に豊かに表現できるか。
* 連弾などで合奏の楽しさを体験しながら、加線の多い楽譜を見慣れてしまう。
* 手が交差するような新しい弾き方、新しい効果を楽しむ。
* いろいろなポジションで鍵盤の上から下まで自由に飛べるようになる。
* いろいろなペダルの踏み方とその効果を楽しむ。
幅を広げて習得する事が不可欠です。
 『5ステップ』を順序よく[A],[B][C]と進むであろうとは考えられない事で、抽象
的にこのような理想の進み方を描いてみたわけですから、このイメージを念頭に置いて、
先生と生徒自身が話し合ったり、相談したりすることができることが望ましいわけです。
 この段階からは、より自主的な練習が行われるように指導します。今までなにか外から
強制されていた部分があれば、それを自分からの目的意識に置き換えてはっきりとした
目標が持てるようになるといいのです。
 たくさんある「いい音楽」、「いい演奏」を自分の耳で聞きましょう。

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