災害のニュースが続き、今この町が平和であることに感謝の気持ちを持つこの頃です。秋晴れの空のもと、16日のルネック土曜定期サロン「古くて新しいベートーヴェン・・・ブラームスはお好き?」はヴィオラ奏者の太田史子氏をソリストに、夫でもあるチェロ奏者の一也氏を解説者に迎えて開催されました。伝統的なドイツ音楽においてバッハ、ベートーヴェン、ブラームスの3人は<三大B>といわれます。ベートーヴェンは直接の師であるハイドンからばかりではなく、バッハの作品からも学びました。また、ブラームスはシューマンだけでなく、ベートーヴェンやバッハの作品からも多くを学びました。
この日のコンサートはバッハ作曲「G線上のアリア」から始まりました。そして、伝統の重みのあるブラームスの「ヴィオラソナタ
Op.120-2 変ホ長調」が演奏されました。第一楽章は明るい魅惑的なヴィオラの主題から伸びやかに始まり、激しいピアノのパッセージと絡み合いながら展開します。ロマン派でありながら、古典主義的な重さがあり、形式美を重んじるブラームスの姿勢を感じました。
演奏者との交流の時間が持てるコーヒーブレークを過ごした後、エネルギッシュな主題の第二楽章、とりとめなく続くように見える変奏曲からなる第三楽章が熱演されました。最後のラヴェル「なき王女のためのパヴァーヌ」では、フランス風の色合いが感じられ、ブラームスとの対比を楽しみました。そして、バッハから20世紀初頭のラヴェルまで長い歴史をたどる一夜となりました。
次回は11月20日。ベートーヴェンのピアノソナタ13番「幻想風」Op27-1変ホ長調とハーモニカの渡辺一義氏による一夜。
お楽しみに! |